目的別ジャズギター教則本・書籍リスト 〜私の書棚から〜

私がこれまでの人生で実際に自分で買って使ってみた教則本、現在も取り組んでいる教材の中から、自分にとって有益だったものをリストアップしてみました。また単に羅列するだけではつまらないので「こういうことを求めている方にはこのマテリアルが役立つのではないか」という視点で分類してあります。

目的別ジャズギター教則本・書籍リスト – 私の書棚から –

言うまでもないことですが、私はこれらの教材を隅から隅まで読んで、実践し、全ての内容を自分のものにしたわけではありません。現在でも継続的に取り組んでいるもの、周期的に思い出して手に取ってみるものなどもあります。

今回リストアップできなかった本もあるので、このリストは定期的にアップデートしていく予定です。マイク・モレノは「音楽は音楽そのものから学ぶべきだ、俺は教則本なんか1冊しか持っていない」と語っていましたが、うまくなるためなら本、動画、対面レッスン、クリニック等々、活用するものは何でも活用するというのが私の考えです。

世の中にある膨大な教則マテリアルを前に、自分には何が必要なのだろうと悩まれている方の参考になれば幸いです。

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テクニックを強化したい

ギター無窮動トレーニング
道下和彦氏の名著。休符無しでジャズ的なフレーズを弾き続けるというコンセプトのため、左手は勿論右手のピッキングの持久力向上にも効果的。運指も難しいものや跳弦ピッキングもあります。毎日30分1ヶ月弾くだけでもテクニックは相当向上すると思います。
Intervallic Designs for Jazz Guitar: Ultramodern Sounds for Improvising
Joe Diorioの著作。4度以上のインターバルを持つフレーズが多数あり、運指・ピッキング練習にも効果的です。ただしサウンドを理解している人向けで、ビバップ以降のスタイルに興味がない方にはあまりおすすめできません。
Pat Metheny Guitar Etudes: Warm-Up Exercises for Guitar
パット・メセニーが2010年のイタリアツアー中、実際に楽屋でウォームアップしていた時に弾いたものを採譜して14のエチュードとしたもの。ネック全域を使いつつ、即興の準備と指のウォームアップを同時に行うという内容。運指は勿論、ピッキングが難しいエチュードがあります。4度進行、ダイアトニック・アルペジオ等、スムーズなボイリスリーディングで音楽的な満足感も高く、好きな本です。

フレーズを覚えたい

ギター無窮動トレーニング
道下和彦氏による多機能エチュード集「ギター無窮動」にはフレーズ集としての機能もあります。例えば2-5-1フレーズを覚えたい場合は2-5-1だけを集中的に弾く・分析する・改造するといった使い方もできます。歴史的に有名なフレーズ、コルトレーンやパット・マルティーノのフレーズが隠されていたりもします。メロディック・マイナーを中心としたモダンな音使いのフレーズ、トライアドを美しく配置したフレーズが多いのも個人的には嬉しいです。こんなすごい本が20年前にあったら、と思わざるをえません。
ギター無窮動トレーニング2
特定のコード進行上で何を弾くかは上の本でわかるとして、4小節同じコードが続くとか全部同じコードが続くモードの曲はどうすればいいんだ、とお悩みの方にはこのパート2が役立つと思います。つまり一発モノ・モードのフレーズが充実しています。無窮動シリーズ1&2を毎日8時間づつ1年間練習したらあっという間にうまくなるんじゃないでしょうか(または気が狂うかもしれない 笑)。
ジャズ・ギター そのまま使える最強フレーズ
「ジャズギタースタイルマスター」というサイトで有名な名取穣一郎さんの著書。「そのまま使える最強フレーズ」という軽薄なタイトル、しかもサブタイトルは「ジャズマンとして知っておきたい、プロのネタがぎっしり」とあり、一瞬俺は騙されないぞと身構えるのですが、チャーリー・クリスチャンからカート・ローゼンウィンケルに至る80個の2-5フレーズを解説付きで収録している真面目な本です。セレクションがとにかく最高。ライトな外見とは裏腹に、かなり学べる本です。ギターの奏法的な面も重視されていて(タブ譜あり)フィンガリングの解説も多く実践的な内容です。模範演奏CD付き。

ミニフレーズ・小技を覚えたい

Sheryl Bailey – 50 Essential Bebop Licks You Must Know
これは書籍ではなく動画です。米国のamazonではDVD版も売っているのですが、国内での取扱いなし。代わりにTrueFireという専用アプリで見る事ができます。これはとても良くて、古くはデクスター・ゴードンからピーター・バーンスタインに至るミュージシャンたちの「使える小技」を紹介しています。リック集ですが、これはこういうコードの上で使えるよ、という丁寧なパーミュテーションの解説があり、シェリル・ベイリーがどんな練習をしてきたのかが推測できたりもする面白い内容です。英語ですが、わかりやすく明瞭な発音です。2〜4小節の小さいフレーズ(2-5-1集でありません)。

ジャズ的なサウンドに耳を慣らしたい

聴くだけマスター! ジャズ・ギター・スケール
「ジャズギタースタイルマスター」というサイトで有名な名取穣一郎さんの著書。タイトルだけ見ると「もうこんな本には騙されないぞ!」と思ってしまいそうですが、これもすごくいい本だと思います。特に初心者がジャズのサウンドに耳を慣らすにあたっては最適でしょう。これを聴き込めば、ウェスのあのフレーズはホールトーンかな、ジョンスコのあれはドミナント・ディミニッシュ(コンディミ)なのかな、と識別できるようになると思います。スピードラーニングで英語が聴き取れるようになるかは不明ですが、この本のCDを聴けば様々なスケールの雰囲気をつかめるようになるとは思います。
ギター無窮動トレーニング
この本は本当に色々な機能を持っていて、「ジャズっぽいフレーズ」がいまひとつつかめない、という方の良き案内役にもなってくれるのではないかと思います。特にクロマティック・アプローチは入門者にとって難しいところがあると思うのですが、ひたすら弾きまくって聴きまくることでクロマティックやアルペジオやボイス・リーディングが身体に染み込んでくるはず。耳を鍛えるためにもすごく良い本です。考えて分析できる本でもありますが、考えずに感じることができる本でもあります。

ソロをどう構築するかヒントがほしい

ヴィック・ジュリス インサイド・アウトサイド
Vic Jurisによる模範ソロの本です。全15曲、本人がドラムとベースをバックにソロを弾いたトラック、マイナスワンを収録したCDが付属していて譜面はタブ譜付き。演奏解説は一切ないので、自分で分析できるレベルの人向けなのですが、緩急を付けたソロとはどういうものか、モチーフの展開とは何なのかといったことについてアイデアをもらえます。基本的にこういう弾きっぱなしの譜面とCDだけの本はあまり好きではないのですがこれだけは例外。ヴィック・ジュリスのフレーズ集的な面もありファン必携の1冊です。

バッキングが上手になりたい・コードの知識を身に付けたい

センスある伴奏テクニックを学ぶ コンピングコンセプト
Mark Boling著。一言で言うとコンテンポラリー・スタイルのバッキングのヒントをくれる本。音の積み方の話中心ですが、模範演奏はとてもリズミックで参考になります。レベル高めの内容ですがコンパクトでありがたい本。
Modern Chords: Advanced Harmony for Guitar
Vic Jurisの著書です。英語ですが文章は最低限。基本的なDrop2, Drop3, インターバリック・ストラクチャー、複合トライアドや開放弦コードのアイデア等、全45ページにコンパクトにまとまっています。自分の手の小ささに絶望させられるページも多々ありますが、貴重なアイデアが詰まっています。でもやはり言おう。手のデカい人向けであると。
コード/メロディの魅力を引き出す ジャズギター ドロップ 2 ヴォイシング
Julian Lageの先生でもあるRandy Vincentの著書。ジャズギターと言えばもうDrop2ボイシングを知らなければ仕方ないのですが日本語ではそれに絞った解説書はないような気がします。単にボイシングを羅列しているのでなくメロディのハーモナイズの例が多数あります。ここまでの内容は要らないという方もいると思いますが極めたい方には便利でしょう。
ジャズ・ギター・コーダル・コンセプト
Peter O’Mara著。上で紹介したVic Jurisのコード本を拡張したような内容で、モダン・ボイシングの技法が一通り網羅されていると思います。基本的なところではDrop3のページも充実。現代的な音の積み方の解説本としてはこれがいちばん充実しているかもしれません(リズムの話は皆無です)。クラスターが参考になりました。一生遊べます。

ソロギターを弾けるようになりたい

ソロギター本格アレンジで弾くジャズ・スタンダードコレクション30
鈴木よしひさ氏の著書。現代的なハーモニーの美しいアレンジのソロギター曲集です。付属の2枚組みCD(なんと30曲も収録!)が素晴らしく、それだけでも価値があると思います。ソロ・ギターというとジョー・パス的な超絶技巧カデンツァを想像してしまいますが、そういうのはありません。ただ音楽的な満足感が非常に高いです。テクニック強化にも良いと思います。
小沼ようすけのソロ・ギター・メソッド HOP STEP JAZZ!
全15曲。各曲に「ホップ・ステップ・ジャズ」の3段階のアレンジが用意されるという斬新なコンセプトのソロ・ギター曲集。1つの楽曲をどのようにアレンジできるかについて、ヒントも与えてくれる名著。小沼氏のコードワーク研究にもなります。解説やコラム的な記事も充実しています。初版では誤植も多かったようですが現行の版は概ね問題ないと思います。
ソロ・ギター・スペシャル・アレンジ
スウィング・スタイルのジャズギターファンから熱い支持を集めている菅野義孝氏の著書。3段階の難易度の30曲のスタンダード・アレンジが収録されています。譜面にはハーモナイズの発想が要所要所で記述されているので、メロディにコードを付ける時の参考になります。定番のイントロやエンディングも充実しています。
ボサ・ノヴァ・ギターのしらべ
佐藤正美氏の著書。ギター1本でボサ・ノヴァの名曲を弾こうという内容。タブ譜付き。何故か酒バラのような映画音楽とクラシックも若干収録。コードとメロディの関係を体感するのにも良い素材かもしれません。音楽的に完結しているのでアドリブ練習に疲れたらこういう譜面で純粋に気持ち良くギターを楽しむのはどうでしょう。始終コードを弾くことになるのでテクニック強化的にもいいと思います。楽しみながら上達。
Fingerstyle Mastery
若き日のタック・アンドレスの教則DVDです。これを初めて観た時の衝撃は忘れられません。ベースラインとコードを同時に弾き、裏拍には右手でパーカッシブ・ノイズを入れ、さらにはそのスタイルでアドリブまでやってしまいます。そのレベルはもう完全に私は諦めたのですが、いい感じのウォーキングベースにコードを入れる方法を学ぶことができました。ソロギターだけでなくバッキングの勉強にも良いと思います。

イントロやエンディングを学びたい

ジャズギターイントロ虎の巻
池元隆通氏の著書。セッションで使える186のパターンを網羅。様々なキーとテンポ(ソングタイプ)向けのイントロが用意されています。ボイシング及びコード進行の教科書としても役立つと思います。「この曲に使える」というメモは便利。理論的な説明はなく、ひたすら弾いて覚える用。
ジャズギターエンディング虎の巻
上の「ジャズギターイントロ虎の巻」のエンディング版でコンセプトはほぼ同じ。2冊ともジャズの入門者が基本的なジャズ・ハーモニーを体感するためにも有効な教材だと思います。テクニック強化的にも良いことが多いです。
コンテンポラリージャズギター(2):イントロ&エンディングの技法
加藤泉氏の著書。上の2冊との違いは理論的な解説が充実していること。上の2冊に比べると固い本ですが、コード進行の理論に興味がある方には有益な内容だと思います。

ビバップ的な表現を知りたい

Charlie Parker Collection for Jazz Guitar
本の表紙には書かれていませんが名取穣一郎さんの著書です(amazonのページにも著者情報がないので勿体無い)。これはギタリスト向けのチャーリー・パーカー・オムニブックと言って良いのではないでしょうか。パーカーによる20曲のテーマとソロが合理的な運指で記載されています。ビバップ的なフレージングというものがどういうものかわからない、という方はそもそもパーカーの演奏の耳コピーも難しいはずで、この本が重宝すると思います。個人的にはレガート・プレイを考え直すきっかけになりました。サックスのラインをギターで弾くのは難しいです。

スウィング・スタイルに興味がある

目からウロコのジャズ・ギター
スウィング・スタイル系ギタリストから高い支持を集めている菅野義孝氏の著書。Jazz Guitar Bookの連載を纏めたもので入門者向けの内容。基本的なクロマティック・アプローチやフレージングの考え方は勿論、とりあえず四つ切でバッキングする際に知っておくと便利なコードのダイアグラムが掲載されているのでジャズギターデビューの方に便利な内容です。基本的なボイシング・バッキングのお話も充実。
続・目からウロコのジャズ・ギター[実践編]
上の本の続編。実際の曲でテーマをハーモナイズして、アドリブとバッキングも学びましょうという内容。曲は酒バラ、It could happen to you, Body and Soul, Alone Together, St.Thomas, ステラ、イパネマ。解説の文章が面白く読み物としても充実しています。コード進行分析もあり、コンパクトながら充実した内容。
レジェンド・オブ・チャーリー・クリスチャン
ジャズギターの開祖・チャーリー・クリスチャンを特集した貴重な本です。演奏分析・使用機材・ディスコグラフィー等の資料が充実。9曲分のソロ採譜あり。かなり丁寧に制作された本です。トリビュート演奏CDはスウィング・スタイル派から熱い支持を集める畑ひろしさん。ムックなので絶版になる前に手に入れておいたほうが良いです。

ブルースを解説している本を読みたい

All Blues Soloing for Jazz Guitar: Scales, Licks, Concepts & Choruses
英語ですがジャズ・ブルースのフレージングのアイデア、スケールチョイス、歴代ギタリスト達のリック・コレクション等が1冊に入っていて便利です。どうにもブルースが苦手という人には良い本。なお著者のJim Ferguson氏には”All Blues for Jazz Guitar”という本もありそちらはコード中心の内容となっています。
Modern Blues
Bruce Saunders氏の著書。上の本には一応ジム・ホールやジョンスコの話も少し出てはくるのですが、いまこの時代に現代的なブルースを演奏するとしたらどんな発想があるのか、というのを学べるのがこの本。各種スケール(Mixo, Melodic & Harmonic Minor, etc.)での4度積みボイシングやリハモのアイデア等。マイナーペンタでキュイーンと弾くスタイル以外の世界を知りたい方に。

モードに特化した練習をしたい

Don Mock’s Modal Mojo
Don Mockの著書です。これは本というよりCDがメインの「聴く教材」(英語。本もページはたくさんありますが、本を眺めながらDon Mockのお話を聴く、という感じ)。むかしとてもお世話になりました。ただ現在は入手が難しいかもしれません。フュージョン寄りのギタリストだと思うのですが、この方は本当に合理的というかアメリカン・プラグマティズムの体現者という感じで、物事をわかりやすく丁寧に説明してくれます。各チャーチ・モードの特徴、エチュード、コンピングのアイデアを収録。英語の聴き取りができる方向け。
ギター無窮動トレーニング2
「フレーズを覚えたい」セクションでも紹介しましたが無窮動2はモードについてのヒントが満載です。So WhatとかMaiden VoyageとかInnner Urgeとかこんなもんどうやって弾いたらいいんだ!と激おこのあなたに。とにかく出張とか旅先とかにこれ1冊持っておけば効率良く現状維持以上の練習ができます。ジャズギタリスト向けのハノン。でもハノンよりすごい!

シンメトリック系フレーズの特訓をしたい

ホールトーンスケールで弾く ジャズギターリックス
英題が”Jazz Guitar Licks in Tablature”というもので一見何の本か全くわかりませんが、ひたすらホールトーンスケールのリックを紹介しているレアな本。気が狂うまでひたすらホールトーンだけ練習できます。経過音の使い方が参考になります。マニアックな本。
MBGU Jazz Curriculum: Diminished Workbook
ひたすらディミニッシュの練習をするための本。著者はBruce Saundersです。ディミッシュの使いどころ(機能)についての説明、抽出されるトライアドの用法、b9 Pentatonicをオーバーレイするアイデア等。痴漢冤罪で拘置所にぶちこまれた時に手元にあると嬉しい1冊。
Symmetrical Scales: Diminished & Whole-Tone: Revealed
「モードに特化した練習をしたい」でも紹介したDon Mockの著書です。この本も付録のCDのトークが本体なので英語で聴き取れる方向け。ディミニッシュとホールトーンの両方を学べます。基本的なシークエンス練習法とリックを紹介。オーディオブック的なものなので通勤中とか散歩中に聴くと面白いです。なおフュージョン系の方なので好みはあると思います。あとこのシリーズにはMelodic Minor, Harmonic Minorの本もありそれらもためになりました。

音数の限られた練習をしたい

インサイドインプロヴィゼイション メロディック・ストラクチャー
ジェリー・バーガンジーの著書。普通、スケールには7つの音があってそのうち1個が「使用要注意」なものだったりします。ではもっと簡単に、どんなコードも4つの音だけ使って弾いてみたらどうかね、というのがこの本の主旨。基礎を見直すきっかけになりました。バーガンジー本はどれも大体そうですがフレーズなどは載っていません。音の組み合わせと和声との組み合わせが主なテーマ。ある意味で「ギター無窮動」のような本とは対極なので両方を往復運動するのが結構良い練習法かなと思ったりします。
インサイドインプロヴィゼイション ペンタトニックスケール
上の著書は4つの音だけで弾く練習ですが、これは5つの音だけで弾く練習。「ペンタトニックなんかもう弾ける!」という方こそ目からウロコの発見があると思います。
Line Games
Julian Lageの先生でもあるRandy Vincentの著書。この本は「では6つの音だけで弾くのはどうかね」という本です。6音を3つのセルに分割し、様々な組み合わせを練習するという内容(この音列がまた美しいのです)。不思議な本。
Jazz Pentatonics: Advanced Improvising Concepts for Guitar
Bruce Saundersによるペンタトニックの教科書。50ページ弱のコンパクトな本ですがストイックな内容。ペンタトニックの応用を学ぶのであれば、ギタリストにとってはバーガンジー本よりこちらのほうが実践的かもしれません。2-5-1や循環上でペンタトニックを繋がり良く適用する方法がわかると思います。ペンタトニックの分類もシンプルです。

普通ではないアイデアに触れたい

Creative Arpeggio Design
Tim Millerによる教則動画。いくつかの運指「テンプレート」をベースに自分自身のアルペジオを開発する練習。特に速弾きに興味がある人向き。
Creative Chordal Harmony for Guitar: Using Generic Modality Compression
Mick GoodrickとTim Millerの共著。7音スケールからルートをオミットして残された6音を2つの3音+3音に分類し、ペアを作る。それで面白いボイシングを作る、という内容。サウンドが最高で大きい可能性を感じているのですが、残念ながらまだじっくり取り組めてはいません。発想はシンプルに見えますが習得は私にはかなりの時間がかかりそうです。付属CDのステラの演奏がなんとも美しい。

スタンダード曲の譜面集が欲しい

ジャズ・スタンダード・バイブル【ハンディ版】セッションに役立つ不朽の227曲
何はなくとも絶対に必要なのがスタンダード曲集。五線譜でメロディを読みコードとの関係を考え・感じ取るのは大切な練習。このジャズ・スタンダード・バイブルは現在日本で「黒本」と呼ばれ定番となっている曲集で1・2巻があります。移調楽器版や、1巻については携帯に便利なハンディ版があります。
The Real Book – Volume I: C Edition
どのスタンダード曲集も唯一絶対の聖典とはなりえず、掲載されているメロディやコードに対して様々な異論が呈されることがあります。そのため複数の曲集を持っていると便利なことがあり、世界的な定番であるこのリアル・ブックが重宝することも。全3巻、プラコームバインディングの重厚な本です。3冊あると漬物石としても機能します。
Thelonious Monk Fake Book: C Edition
タイトル通り、セロニアス・モンクの曲のリードシートです。モンクの曲は黒本やリアルブックではきちんと理解できないので助かります。編纂しているのはピアニストではなく、ギタリストのスティーヴ・カーディナスです(彼はセロニアス・モンク研究家です)。どの曲も出典となる音源が記されています。”Trinkle-Tinkle”みたいな曲はトップノートだけ書いてある譜面だと意味がないのですが、和音でないと意味がわからないそうしたところはきっちり記載されてあるのが素晴らしいです。モンクファンなら一家に一冊の本。全70曲収録。

楽曲のアナライズを学びたい

ジャズ・スタンダード・アナライズ~名曲誕生の謎を紐解く
単なるコード進行とメロディの理論的分析ではなく、歌詞の内容もヒントにしてメロディや和声の生成を分析しようという発想で書かれています。とても真面目でとても面白い本。インターバルと和声の機能が、「感情」とどのような関係にあるか。そうしたことに興味がある人にもおすすめです。
ジャズ・スタンダード・セオリー ~名曲から学ぶジャズ理論の全て
納浩一氏の著書。有名なスタンダード曲を素材にアナリーゼを学べます。ただ、理論の初心者向けではないかもしれません。機能和声について既にある程度の理解を持っている人が、復習として開いてみると「そうだったか」と思うことがあるかもしれません。私が持っているものは初版のせいか落丁があったり少し頭をかしげるところもあるのですが、有益な部分も多いです。

ポリリズムを極めたい

Advanced Rhythmic Concepts for Guitar
ポリリズムとポリメーターについて簡潔かつ詳細に紹介している本です。少しづつ理解しないといけない大変な本ですがボケ防止になりそうです。上級者向けの内容で私にはハードルが高いです。本当にちょっとづつ読んでいきます。「リズムの転調」という手法で正確にアッチェレランド、リタルダンドができる話などは面白かったです。英語、かつ算数表現を知らないと読解が難しいかもしれません。

ジャズのハーモニーやアドリブについての概念を知りたい

マークレヴィン ザ・ジャズ・セオリー, Jazz Theory Book
Mark Levineの古典的な著書。ジャズの基本的な和声理論・スケール・リハーモナイゼーションが豊富な譜例とともに解説されています。ピアノの譜例が多いのですが普遍的な内容を扱っています。やや固い内容のため入門者向けではないような気もします。私は英語版を使っているので日本語版のクオリティは不明。英語版はリング製本(分厚く重い)。Kindle版もあります。
ハウ・トゥ・インプロヴァイズ インプロヴィゼイションへのアプローチ
Hal Crookのかなり有名な本。和声・スケール・リズムについて様々なエクササイズが提案されています。何年もかけて取り組む本です。スケールやコードのチャートが充実していてそれも便利。そもそも練習はどうあるべきなのか、どういう練習計画が理想なのかといった言及も有益です。全楽器向け。ちょっと真面目な本なので読む人を選ぶかもしれません。

基礎的な理論の先にあるコンセプト・アプローチ法を学びたい

Advanced Jazz Guitar
高内晴彦氏の著作。この本の面白いところは完全に上級者向けの内容なのにコラムのような文章が面白いせいかなんだかスッと理解できてしまうところ(理解できる=弾けるようになる、ではないですが)。私の回りでは持っていない人がいない本。いま入手困難なのかな?重版されるべき本だと思います。
JAZZ GUITAR CONCEPT
これも高内晴彦さんの著作。タイトル通り「コンセプト」が大きいテーマ。一通り弾けるようになった人がどうやって自分独自の表現を獲得するか。そのためのヒントが詰まっています。文章がとにかく面白くてハマります。Donna Leeのテーマをブロックコードでハーモナイズするという鬼のような譜面あり。理論がまだよくわからない入門者の方が手に取っても読んで楽しめ、弾いて楽しめると思います。そしてこの本、付属のCDもすごく良いです。ベースとのデュオ、ギターソロ、7曲が収録されています。
NEW YORKジャズギター・スタイルブック
前半でコンテンポラリー・ジャズ・ギタリスト10人のスタイルをいくつかのフレーズを例に探り、後半でその背景にある理論・メソッド・コンセプトを紹介、という内容。Kurt Rosenwinkel, Adam Rodgers, Johnathan Kreisberg, Juian Lage, Mike Moreno, Lage Lund, Ben Monder, Steve Cardenas, Gilad Hekselman, Nir Felderが扱われています。1990年台後半〜2010年代前半頃までのサウンドスケープをなんとなく見渡せる本で、こうした本は他にないこともありみんな持っている1冊だったりします。もう絶対に弾けないような譜例がいっぱいあるのですが、それを弾けるようになることを目的とする本ではないので、それでいいのです。

即興や練習についてヒントをくれる本を読みたい

前人未到の即興を生み出すギター演奏の探求, Advancing Guitarist
ミック・グッドリックの著作。理論的な内容も多々あるのですが、それ以外の散文もためになります。原題の”Advancing Guitarist”は「前進し続けるギタリスト」の意味。ちなみに英語では「上級者」のことを”Advanced”という形容詞で表現しますが、それは「前進することを終了した」という過去分詞でもあり、”Advancing”とは対極です。ギターと音楽は終わりなき旅。私にとって聖書のような本です。
ギタリストのための作曲とインプロヴィゼイションの手引き, The Guitarist’s Guide to Composing and Improvising
ジョン・ダミアンのこの著書も読んでいて元気が出る本です。上のミック・グッドリックの本と雰囲気が(私にとっては)似ています。行き詰った時に適当なページを開いてみると、大体何かヒントになるようなことが書いてあります。結局、何かが上手く行っていない時というのは頭も感性も硬くなっているんですよね。それがほぐされる感じです。面白い練習のアイデアがたくさん詰まっていますが、普通の教則本ではありません。ただのエッセイでもありません。「前人未到の〜」もそうですが、分類不明の本。ブルース・リーによる武術解説本に似ています。

とにかく読んで面白い読み物を知りたい

9番目の音を探して 47歳からのニューヨークジャズ留学
最近読んだばかりの元ポップ・シンガー、大江千里さんの著作。大江氏が47歳でジャズ・ピアニストへの転身を決意しニューヨークのニュースクールに留学するドキュメンタリー。読ませる文章で面白いです。自分の成長に悩んでいる時に読むと元気が出ると思います。
VOICE OF BLUE 舞台上で繰り広げられた真実のジャズ史をたどる旅
高内晴彦氏の著作。この本はジャズの歴史的発展をハーモニーの変遷とともに解説してあって、読んでいると自分の中に新しい「ジャズ史」がインストールされていく感覚を覚えます。現代ジャズと中東とハーモニック・マイナーのお話には特に膝を打ちました。デューク・エリントンからマーク・ターナーまで、文字通り旅のような本でした。この本は長く読み継がれていくような気がします。




目的別ジャズギター教則本・書籍リスト 〜私の書棚から〜
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