マイク・スターン、四文字言葉とともに前進中

ご存知の方も多いと思いますが、昨年(2016)の7月、マイク・スターンが両肩を骨折しました。様々な情報を総合すると、ニューヨークの路上で空港に行こうとタクシーを止めようとしたところ転倒。その時、工事現場があるほうに転んでしまったようです。

骨折したのは両手、いや両腕という話もあったようですが、どうも両方の「肩」だった模様。海外掲示板では転ぶ瞬間に手をかばって身体から倒れたのではないか、いや後方に転倒する際、両手をついてしまってその衝撃で肩が折れたのではないか、等の憶測があるものの詳細は定かではありません。

(いずれにしても大怪我をした瞬間の記憶というのは思い出したくないものになっている可能性があるので、本人に根掘り葉掘り聞くのはやめたほうが良いと思います)

そのマイク、JazzTimesの先月のインタビューで最新作”Trip”収録の”Scotch Tape and Glue”(セロテープと糊)という曲名の由来について聞かれ、こう答えています。

スコッチ・テープ(セロテープ)は(怪我からの復帰後)最初に使っていたものだよ。本当はセロテープじゃなくてテープの一種だったけどね。ピックを持とうとしたんだ。何とかしてピックを持つ方法はないか試行錯誤していた。最終的にはウィッグ用の接着剤を使うようになった、いま使っているのはそれだけだ、ピックに塗ってある。時々くっつくんだ、聞いてわかる。ダイナミクスは自分好みの流れるようなものとは少し違っている。

混乱するけど、前に進み続けなくてはいけないし、これまでと違うことに挑戦しないといけない。すると「こんなんできるかい!」と思う。でもその後「ふざけんな。クソみたいな結果になったとしてもやってやる(“Fuck it. I’m gonna do it even if it comes out like shit.”)」っていう感じさ。挑戦しないといけないんだ。むかしマイルスと一緒にやっていた時、僕はそれを見た。ある時マイルスはとても弱っていた、軽い脳梗塞をやったんだ。それでも僕たちは演奏し続けた。マイルスは2ヶ月くらい休息を取って、いきなり復帰した。彼の手には妙な器具が取り付けられていた。空港では車椅子に乗っていた。でも彼は前に進み続けたんだ。ものすごくゆっくり歩いていたよ。でも自分のやりたいことをやるために頑張る奴等っているだろ。マイルスは頑張ったんだ。彼には気迫があったし、それは強くなっていた。彼は少しづつ強くなっていったんだ。

マイクの肩には11個のボルトと1枚のプレートが埋め込まれたらしく、右手の動きに大きく影響したようです(ボルトは最近になって4本抜いたそうです)。下は怪我から4ヶ月後のイタリアでの演奏ですが、この時はグローブにピックを接着剤でくっつけていたんですね。

今回の怪我を巡る各所のインタビューでマイク・スターンはfxxkとかsxxtといった四文字言葉をふんだんに駆使しつつ、笑いながら答えていましたが、それでもリハビリは精神的に相当きついものだったようで周囲からのサポートがなければ難しかっただろう、とも語っていました。

そしてこれが先月のマイクの姿、名曲クロマゾーンを熱演!最初のほうで時々ピックの持ち方を直していますがもうグローブもなく、だいぶ回復してきているようですね。

マイク・スターン、64歳。これからもフォー・レター・ワードを連発しつつ熱いプレイを続けてほしいですね。

マイク・スターン、四文字言葉とともに前進中
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