CDを手渡されても困る昨今のアーティスト事情

ロバート・グラスパーがインスタに興味深い投稿をしていました。数日ツアーに出るだけで若いミュージシャンから数十枚ものCDを手渡されることに辟易している模様。曰く、CDプレイヤーなんか持ってない。フラッシュメモリーのほうがいい。それか音源へのリンクをくれ、ミュージシャンにCDを渡すのはやめてくれ! とのこと。わりと本気で困っているようです。

しかしコメント欄には「初対面の人間から渡されたフラッシュメモリーをパソコンに差すのか? ウィルス入りだったら…」という指摘も。また「CDのほうが音質が良い」という指摘に対しては、CDを否定しているわけではない、ただCDプレイヤーを持っていない人は多数いてもPCを持っていない人はいないのだから、データのほうがいい、と答えています。

毎晩10枚もCD持って帰るのは大変なんだ、とも。アートワークには興味がないそうです。

グラスパーが言っているのは、音源の形式、CDかデータか、という話なのですが、下でジョン・スコフィードはもう少し耳の痛いことを言っています。「セルフ・プロモーション」について7:32頃から次のように語っています(初回はそこから再生します)。

セルフ・プロモーションは若いミュージシャンの害になると思う。(僕達に善意があっても…と言いかける)いまでは誰でもCDを安価に作れるじゃないか、でも毎晩CDを手渡されても僕は聴かない、時間がないし、他の音楽を聴いて勉強しないといけないから。そういう方法では道は開けない。僕が他のミュージシャンのことを知るのは、実際に演奏しているのを聴くか、上手な友達から「あいつ、いいよ」と情報をもらうからなんだ。だからミュージシャン同士のネットワーキングこそが世に出る方法なんだ。

グラスパーやジョンスコクラスの人になると渡される音源の数も半端ではないでしょうから、情報過多になってしまうところもあると思います。私のようなアマチュアの世界だと友達同士で自分の演奏録音や作品を交換するのは楽しみだったりするのですが、プロはそうも行かないでしょう。

かつて憧れのミュージシャンに「デモテープ」と呼ばれるカセットテープ録音の音源を渡し、それを聴いてもらえることでスターダムへの道が開かれた、というエピソードがロックの世界ではあったようですが、現代では軽量なフラッシュメモリーかデータへのリンクがマナー、それ以前にそういうセルフ・プロモーションが有効かどうかを考えてみる必要もありそうです。

CDを手渡されても困る昨今のアーティスト事情
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