ラーゲ・ルンド流 自分で自分を伴奏する練習

ラーゲ・ルンドがMy Music Masterclassで出している教則動画シリーズのうち、”How I comp”をじっくりと見ました。これがおいしいところを突いている、じわじわくる内容でした。「私はどのように伴奏するか」というタイトルですが、これはソロ、これはコード、という単純な話ではないのでした。

もっと深い(けど発想はシンプル!)。最終的には「メロディと伴奏」がコール・アンド・レスポンス的な、2声対位法的なフレージングに至るのですが、その過程が理解できて大変参考になるのです。

ラーゲ氏曰く、自分を伴奏する練習をすると当然ながら他人の伴奏もうまくなるよ、とのこと。紹介されているアプローチは、シンプルでありながらも実践的な内容でした。ある程度の英語力、ダイアトニック・セブンス・コードとDrop2/3ボイシングを理解している方であれば面白く観られる内容だと思います。

伴奏する時のノートの選択肢という話は勿論あるのですが、やっぱりリズムが大事、と彼は繰り返し言います。そして抽象的な話ではなく、たとえばチャールストンのリズムだけでどんなふうに面白くできるかというデモンストレーションもあって、そう来たかー、と唸らされます。

伴奏の音使いにしても、1音ならどの音を使うか、2音ならどのインターバルを使うか、という話になるのですが、基本的なDrop2フォームから生まれるインターバルを使う考え方(6度を中心にコンプする等)などを見ていると、とにかく基本が大事なんだなぁと思わされます。Drop2や3のような基本をよく観察して、そこから3声だけ使ったり、17+35の組み合わせにしたり。

17+35(Root & 7th, 3rd & 5th)とは、カート・ローゼンウィンケルも下の動画(7:23〜)で紹介しているものです(但しラーゲはこのインターバル・セットをカートとは少し違う弾き方をします。コード的にならないよう音を重ねずにレガートに弾く)。

上の動画については5年前に記事を書いています(もう5年も書いてんのかよ! 昔の記事は恥ずかしい…)

Kurt Rosenwinkelと一緒に"Body and Soul"を理解する
カート・ローゼンウィンケルが「ソングを理解する」ことの大切さと、具体的な理解の方法を説明している動画があります。

話をルンド先生のレッスンに戻すと、曲は酒バラを題材に使っています。メロディックなフレーズが息をするように出てくるのもすごいですが、ハイライトは高音域のメロディに対する、レスポンス的な低音域の「伴奏」が、次第に長いメロディになっていって(このコツは”Sustain”というチャプターで紹介)、最終的には2声の掛け合いにみたいになってくるところ。

曲の理解、ハーモニーの考察、ボイシング、ボイスリーディング、リズム、メロディ…が渾然一体となってくる様子がわかります。これ以上語るのは建築について踊るようなもの。ラーゲファンは勿論、この記事をご覧になって興味を持たれた方は是非見てみてください。約32分のレッスンです。





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