リッチー・ブラックモアとジョー・サトリアーニを巡る不毛な議論でインターネットは今日も元気

先月、リッチー・ブラックモアがジョー・サトリアーニのプレイスタイルを批判(批評)したインタビュー音源がYouTubeにアップされて話題になっていました(Ritchie Blackmore About Joe Satriani & Steve Morse)。この中でリッチーはサトリアーニについてこんなことを言っています。

ジョー・サトリアーニはブリリアントなプレイヤーだ。だが彼は決して音を探しているようには見えない。彼が間違った音を1音でも弾いたのを聴いたことがない。ジミ・ヘンドリックスはたくさんの間違った音を弾いたものだった、なぜなら彼はいつも探していたからだ ーー 「あの正しい音はどれなんだ!?」ってね。そして彼がその正しい音を見つけたとき、ワァオ、それは素晴らしかったよ。

ハートから音楽をプレイする人間と、頭からプレイする人間がいる、ということを君は言いたいんだと思うが、俺はハートでプレイする奴のほうが好きだ、俺はブルース・プレイヤーみたいなのが好きなんだ、ジェフ・ヒーリーみたいなね。ジェフ・ヒーリーはものすごいと思うよ。

いつも正しい音ばかり弾いていたら、何かおかしいんだよ ーー それは音を探していないことになるし、何も得られないんだ。でもだからといってサトリアーニが非常に優れたギタリストではないというわけじゃない。スティーヴ・モースについてもそれは同じだ。素晴らしいプレイヤーだ。

指板を駆け上がったり下りたりする本当にテクニカルなプレイヤーは、2分間は聴けるかもしれないが、俺はすぐに退屈してしまってサッカーのこととか他のことを考えはじめてしまう。でも何かを探しているような誰か、うまく行ってないけどたまにキメるようなプレイヤーの演奏は好きだ。

ジョー・サトリアーニは非常に磨き上げられたプレイヤーだ ーー 磨かれすぎてしまっていると言っていいくらいだ、そのことに時々、心配になるんだよ。

等々。これを聞いたジョー・サトリアーニは、自分が尊敬している人からそんなことを言われるのは正直なところ傷つく、と反応。この話題がネットでちょっと話題になったのでした。

この「サトリアーニの反応」動画へのコメントを読んで、今日もインターネットは元気だな、と思いました。

サトリアーニは完璧なギタリストだ、間違いない、だがリッチーははるかに優れたミュージシャンなんだ、それくらい単純な話だよ。そこの違いなんだ。YouTubeは才能のあるキッズで溢れているが、彼らはただギターで何でも簡単に弾けるだけだ。だが! 「スモーク・オン・ザ・ウォーター」や「スピード・キング」、「チャイルド・イン・タイム」や「ハイウェイ・スター」のようなものをクリエイトするようなことを、彼らはできない。なぜならギタースキルとは偉大なミュージシャンになるために必要なすべてではないからだ。

リッチーが言っていることは愚かだよ。誰が最高のギタリストか、ミュージシャンかという話は、比べられないものを比べるようなものだ。彼らは2人とも違う時代の違うギタリストだし、どちらもロックの歴史の中で地位を確立した。フィールとテクニックをめぐる議論も、またかという感じの思考停止議論だ、音楽にはそれ自体、感情は含まれていない。僕たちが感情を投射するんだ。…

この話全体が、ドラマのないところにドラマを生み出そうとしている人々のことだろう。

個人的には最後のコメントが最も簡潔にこの一連の騒動を表しているな、と思いました。火のないところに煙は立たず、と言いますが、これは火のないところに煙を立てようとしている人々による炎上商法の一種でしょう。もはや釣りに近い。

リッチー・ブラックモアは、言い方は若干意地悪な感じはありますが、単に彼自身の「好み」を語っているだけで、極端にひどいことを言っているようには思えませんでした。最低限のレスペクトを持って語っているように見えます。まぁサトリアーニは傷つくかもしれないけど…

しかし、聞く限りリッチーも音楽、楽器演奏を「ハートと頭」、「フィーリングとテクニック」という二律背反で考えているようで、ここは違和感がありました。また、理想のノートを追い求めて弾く、という行為をややロマンティックに捉えすぎているようにも感じます。ジミヘンが素晴らしいのは間違いないけど!

私はそもそもこの「ハートと頭」みたいな対立構造が理解できません。ハートとヘッド、フィーリングとテクニック、感性と理論。それはいずれも相互補完的なものであって、対立するようなものではないはず。まぁ、きっと対立させたほうがなんとなく真実味があって面白そうで視聴率も上がるだろう、という目論見があるんだろうけど。もうお腹いっぱいです。





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