重要性を与えるのはモーションであり、モーションに音はない - Pat Martino

パット・マルティーノがPremier Guitarとのインタビューで「モーション」という独特の観念について語っています。こんなことを言っているギタリストは、私の狭い知識の中では他に知りませんし、彼の音楽の重要な何かに触れているような気がしたのでした。

PG: 最近私は、ジョー・サトリアーニにあなたのアルバム”All Sides Now”での経験について話をお伺いしました。彼は「間違えているように思える音」でも正しい音に変えてしまうあなたの能力に驚いたそうです。

それは興味深い。協和と不協和というものがある。それらが持っている特質、それらに重要性を与えているのはモーションであり、モーションは音を持たない。モーションがこれらの要素を操作しているんだが、こういう感じのモーションに身を任せている時はそれが何処に行こうがどうでもいいことなんだ、なぜならモーションの中では聞くことができないからね。正しい音とか間違った音とかいうものはない。アイデアが形になる時、魔法が伝わるんだ(it’s when an idea resolves that the magic conveys)。

うーん、わかりそうでわからないこの感じ、これがマルティーノです。でもここには何かあるんだ…それはとても知りたい。それはきっと言語化しにくいものなのでしょう。単にダウンビートに入ったノンコードトーンがいい感じに解決するという話ではなさそうです(それも含むけれど、それだけに終わらない何か)。

ところで英語の「モーション」とはどういう意味でしょうか。

the act or process of moving, or a particular action or movement

動くという行為、あるいは動くことの過程、あるいは特定の行為または運動

motion Meaning in the Cambridge English Dictionary

つまりマルティーノ氏は、何かが何かに移動するプロセス(過程)を「モーション」と呼んでいるのでしょうか。ある音が向かった先の音は聞こえるかもしれないのですが、ターゲット音そのものではなく、そこにどのように到達するかという過程、そのクオリティが大事なのだと言っているような気がします。

単に「運動」というと「方向・距離・速さ」といった要素が出てくると思うのですが、どうも単にそういうことでもないらしい。この「モーション」という観念も、パット・マルティーノらしい、ちょっと謎めいたものに思われます。これ何でしょうね。私は生きているうちにこれを理解できるのだろうか…

マルティーノ氏にとってこの「モーション」とはクオンタイズ可能な量的な概念ではなく、言語化が難しい質的な何かなのかもしれないな、と思いました。





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