大事なのは、その音楽の中に自分の居場所を見つけるということだ - Julian Lage

レコードにあわせて弾く、という練習方法があります。どんな音源に合わせてもいいですが、「ソニー・ロリンズのピアノレストリオに仮想的に参加する」という練習方法は、ジャズギタリストのあいだでは有名ですよね。勿論、ピアノ入り音源に参加しても、いいですよね。

ジュリアン・ラージがとある文章の中で、ある意味特に目新しさのないこの練習の意味について、とてもおもしろいことを言っていました。

僕は若い頃、好きなレコードと一緒にプレイするのを避けていた。それがリアルな行為だとは全く思えなかったからだ。「彼らは僕のプレイを聴けないし反応できない、だからこれは不自然なことだ」という考えを長いあいだ持っていた。実際にやってみるまでは。

やってみてすぐに気付かされたのは、レコードの中のミュージシャン達はもちろん僕のプレイを聴けないんだけど、それでも僕はとてもはっきりした目的を持っていたということ。僕も彼らと一緒に録音しているかのように弾くということだ。

これは最高のイヤートレーニングの1つと言っていい。知っている曲か、あまり知らない曲かはあまり関係ない。大事なのは、その音楽の中に自分の居場所を見つけるということだ。

君が好きな何らかの録音を選ぶとする、それは既に完璧なものとしてそこにある。君はそれに対して2つの結果をもたらすことができる。君はそれをより良くサウンドさせられるかもしれない。あるいは君はその音楽から離れてしまって、ひどい結果にしてしまうかもしれない。

この結果、音楽の端っこで居心地よく浮遊するという行為が除外される。これをやることで、君はその録音に資するような何かをプレイする必要が出てくる。これは時間が限られている時は特に効果的な練習方法だよ。

この文章の原文は、ジュリアン・ラージのその他の興味深い考察とともに下の本に収録されているので、興味のある方は読んでみてください。

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ジャズレジェンドの録音音源は、たしかにそれ自体で完成していて、もうどんなふうに改良もできないように思えます。そうした音源に合わせて、何か弾くとする。確かに「気持ちよ〜くなんとなく合わせる」という感じには、ならないですよね。その音楽をよりよくするために、自分には何ができるか。何を弾けばいいのか。結果は2つに1つ。その音楽がより良くなるか、より悪くなるか。

これは、やっぱりすごくいい練習ですよね。ジュリアン・ラージは、シンプルなことだけれどこれをやることで完全に新しい練習の世界が自分に開かれた、とまで語っています。

この練習は録音して、自分がオリジナルレコーディングの一部のようにサウンドしているかどうかをチェックするのが良いそうです。家でもできるセッション練習、という感じでしょうか。時間なくてあんまりセッション行ってないな、という方にも良いのではないでしょうか。





大事なのは、その音楽の中に自分の居場所を見つけるということだ - Julian Lage
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